タイトルの通り、eSIMを活用してdocomo、au、Softbank、楽天モバイルの全キャリアの電波を掴めるiPhoneにしてみました。
むしゃくしゃして勢いでやったので、全キャリアを入れるのは積極的にオススメするほどのメリットは有りません。
が、複数キャリアのeSIMをあらかじめセットアップしておくことで、最近結構な頻度で発生する、各キャリアのトラブルや不具合発生時の対策にはなります。また、切り替える手間を惜しまなければ、(特にライトユーザーなら)毎月のスマホ料金を安くすることが出来ます。
くらえ!!!ぼくのかんがえたさいきょうのスマホ!!!!
格安SIMのeSIMを使ってBCP対策
スマホに複数キャリアのSIMを設定するのはBCP対策にもなります。
BCPと言うのは、
事業継続計画(じぎょうけいぞくけいかく、英語: business continuity planning, BCP)とは、災害などの緊急事態が発生したときに、企業が損害を最小限に抑え、事業の継続や復旧を図るための計画。事業継続と復旧計画(Business Continuity & Resiliency Planning, BCRP)とも呼ばれる。企業に対する潜在的な脅威に対処するための予防に加えて、ディザスタリカバリによる事業の継続的な運用を可能にすることを目標とする。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E7%B6%99%E7%B6%9A%E8%A8%88%E7%94%BB
と言うような、主に企業が作る計画のことです。ここでは個人向けのBCP対策(みたいなもの)を想定しています。
格安SIMの登場で携帯回線の維持コストが0~数百円程度まで下がっていますので、個人で不測の事態に備えることが低コストで可能になりました。上手く活用することで起こりうるトラブルに手間なく対処することが出来るようになります。
少し前までは、メインで使っている携帯キャリアにトラブルが発生して使用出来なくなると、「復旧まで待つ」か、「あらかじめ2台持ちをする」という選択肢しかありませんでしたが、
DSDS(Dual SIM Dual Standby)のスマホと格安SIMとeSIMが普及したことにより選択肢が大幅に広がりました。
eSIMが普及する前までは物理SIMでも2つのキャリアを使用することが出来ましたが、3つ以上を使い分けようと思うとSIMカードの挿し替え作業が必要になりますので、あまり便利ではありませんでした。(それでも2つのキャリアを使えるので個人版BCP対策にはなりましたが)
現在ではeSIMの登場により、SIMカードを入れ替えることなく設定一つで簡単に使用キャリアを切り替えることが出来るようになりました。これにより普段使わないキャリアのeSIMであっても、不測の事態に備えて手間なく準備しておくことが可能になっています。
私のiPhone11は、メイン:docomo物理SIM、サブ:楽天、povo、Softbank eSIMになっています。



基本的にeSIMは楽天モバイルに設定。楽天モバイルが1GB越えそうになると、データ通信をdocomoに設定。仕事で必要だったSoftbankはとりあえず入れたまま。データ通信をガッツリ使いそうなときはpovoで補充。の構成。
どんな組み合わせでeSIMを設定するのか?
DSDSでeSIMを活用する場合、どのキャリアのSIMを設定するのか? がポイントになります。
一般的にスマホでDSDSを設定する場合、
- 通話回線とデータ回線で分ける
- データ通信の量を増やす
- 毎月のコスト(料金)を安くする
- キャリアの分散化(電波のエリアの補完、不測の事態に備える)
- プライベートと仕事用
などが理由になるかと思いますが、普段の使用状況や目的によって選択肢が変わりますので、当然のことながら万人に当てはまる最適な組み合わせはありません。その代わりに用途や目的別に向いていると思われる選択肢を考えてみます。
docomo回線系eSIM
代表的なものは ahamo です。
docomo本体が提供しているサービスですが、国内通話5分無料と20GBのデータ通信が付いて、2,970円(税込み) で使えます。電波エリアはdocomoと同じですので地方でも割と安定しています。物理SIMもeSIMも対応しているので、他のSIMとの組み合わせでも融通が利きます。docomoのヘビーユーザーは、単純にahamo に切り替えるだけでも安くなるかもしれません。
サブ回線のeSIMに向いているのがIIJmioのeSIMです。データ専用回線ですが、2GB 440円(税込)から使用できます。データ量が足らない時は1GB 220円(税込)で増やすことも出来ます。メイン回線のトラブル発生時や月末にデータ通信残量が無くなった場合に融通が利きやすいeSIMです。毎月メイン回線のデータ通信料が足らなくなる人は、IIJmioを活用すると安くなるかもしれません。
au回線系eSIM
au系のeSIMと言えば、auの別ブランドpovoです。povoの良いところは0円で回線維持が出来ることです。データ通信や従量通話をしなければユニバーサル料も掛からないそうです。
povo2.0プランはユニバーサル料金、電話リレーサービス料はかかりますか?
トッピングの購入や従量通話など、他の請求がなかった場合を除き、ユニバーサル料金や電話リレーサービス料はかかります。
ただし、当面の間はかかりません。
https://kdlsupport.zendesk.com/hc/ja/articles/4406549479577-povo2-0%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%81%AF%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%AB%E6%96%99%E9%87%91-%E9%9B%BB%E8%A9%B1%E3%83%AA%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E6%96%99%E3%81%AF%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%81%8B-
povoは必要な時に必要な量だけ課金すれば良いのでまさにサブ回線、予備の回線にぴったりのサービスです。一つ気を付けなければいけないのは、課金しない状態で6カ月経過すると契約を打ち切られてしまうことです。
トッピングの購入を一定期間実施しなかった場合、どうなりますか?
最後の有料トッピングの有効期限の翌日(有料トッピングのご購入がない場合、povo2.0のSIMを有効化した日)から180日の間、有料トッピングのご購入がない場合、順次利用停止させていただきます。
※期間内の従量通話料とSMS送信料の合計額が660円(税込)を超えている場合を除きます。利用停止後30日の間に有料トッピングのご購入がない場合、順次契約解除させていただきます。
https://kdlsupport.zendesk.com/hc/ja/articles/4406549586585-%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%AE%E8%B3%BC%E5%85%A5%E3%82%92%E4%B8%80%E5%AE%9A%E6%9C%9F%E9%96%93%E5%AE%9F%E6%96%BD%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%9F%E5%A0%B4%E5%90%88-%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%81%8B-
流石にお金を払わないと永遠には使わせてもらえません。半年に1度くらい何かしらの課金が必要ですが、維持コストはかなり安いと思います。
もう一つ、au回線系でお勧めなのが【UQmobile】です。
プランが”くりこしプランS+5G”の場合、通常3GB 1,628円(税込み)の月額使用料ですが、auでんきやauひかりなどのサービスを利用していると自宅セット割により990円(税込み)で使用出来ます。また、使わなかったデータ量を翌月に繰り越せる特徴があり、毎月のデータ使用量にバラツキがある場合に便利です。自宅セット割の対象であれば、十分に選択肢に入ります。
Softbank回線系eSIM
ソフトバンク回線系の格安SIMと言えば、YmobileとLINEMOです。
Ymobileは、”シンプルSプラン”で3GB 2,178円(税込み)月額基本料ですが、こちらも自宅回線がSoftbank光もしくはSoftbank Airだと990円(税込み)になりますのでかなりお安くなります。UQモバイルと同様、使わなかったデータ容量も翌月まで繰り越しが可能です。ライバル関係ですね。乗り換えで契約するとキャッシュバックキャンペーンが行われていたりします。
Y!mobileに乗り換えで現金キャッシュバック【Yステーション】
一方、LINEMOは”ミニプラン”で3GB 990円(税込み)、”スマホプラン”で20GB 2,728円(税込み)の価格設定です。余ったデータ容量の翌月繰り越しは有りませんが、”LINEギガフリー”という機能によって、LINEのトークも音声通話もデータ消費がゼロになります。
LINEギガフリーとは
LINEMOは、LINEアプリのトークはもちろん、音声通話・ビデオ電話のデータ消費もゼロ。データ容量を使い切っても(通信速度制限がかかっても)LINEアプリの通信速度は落ちません。
https://www.linemo.jp/service/line_free/
連絡のほとんどをLINEで行うならかなりお得です。(個人情報の扱いに不安が残るのが難点です)
楽天モバイル
最後に、「楽天モバァァァアァァァアァイルッ!!!!!!」です。
楽天モバイル の登場で、既存携帯キャリアの料金が下がったとも言われています。何と言っても1GBまでは0円で使える価格設定が非常に優秀です。eSIM搭載機種を持っていて外出先で殆ど通信しない人は、とりあえずで契約しておいても損がありません。
1GBまでの使用であれば、au回線系のpovoと同様に0円維持も可能です。また1GBを越えても3GBまでは1,078円(税込み)で使用出来るので、たまに外出先で使用量が増えたとしても、別途契約や設定を変更したりする必要もありません。
さらに3GBを越えて使用しても20GBまでは2,178円(税込み)という低価格です。さらに専用アプリを使用することで、通話し放題まで付いています。
私の様に殆どWi-Fi環境下にいる人には、毎月のデータ通信量や使用料金を意識せずに使えるので非常に便利です。サブ回線としてeSIMに入れておけば、1GBまでは0円で使用出来ますし、メイン回線に不測の事態が生じても直ぐに切り替えが出来ます。
と、おすすめポイントが多い楽天モバイル なのですが、難点がいくつかあります。
- エリアが狭い
- 速度が遅い(ことがある)
- 電波が弱い(地域がある)
- 専用アプリの通話音質が残念
1.楽天モバイル は後発キャリアのため、他のキャリアに比べてまだエリアが狭い状況です。特に田舎は繋がりにくくなっています。順次、auのローミングエリアと入れ替えを行っている様ですので、しばらくは繋がりにくい状況が続くと思われます。
2.速度についても、恐らくは契約回線数に対して設備投資が追いついておらず、人が集まる場所で遅くなる傾向にあります。
3.電波が弱く、公式サイトで電波エリア内と表示されている場所でもアンテナが立たないことがあります。(我が家とか、我が家とか、我が家とか)また、アンテナが立っていても通信が切れることがあります。
4.無料で通話が出来るのは良いのですが、通話品質がダメです。肝心な時に全く使い物にならないことがあるので、メイン回線には向きません。(私は何回か試して仕事用の発信回線にするのを諦めました。サブ回線で使うならアリです。
と、楽天モバイル は少々訳アリなので、そういう部分を割り切ってサブ回線として使うのがオススメです。一般的なMVNOとは違って、既存のdocomo,au,Softbankとは別の回線ですので、それらの代替先としてはもってこいなのですが、単体で使用するとそれこそ繋がらないリスクが高いのでBCP対策になりません。
もちろん、お住いの地域によっては快適に使える場合もありますので、こればっかりはご自身で契約してご確認ください。どうせ繋がらなくて使用しない(できない)場合は料金が発生する心配がありません。
まとめ
携帯キャリアの突発的なトラブルに備えるには、最低でもdocomo、au、Softbank、楽天モバイル回線のサブブランドを含めて、いずれか2つを契約しておくことをおススメします。
au回線系のpovoや楽天モバイル は維持費が0円なので、普段使用しなくてもeSIMに入れておくだけでお守り代わりになります。特に楽天モバイルはデータ通信1GBまで0円なので普段使いでもお得です。
自宅の回線が、Softbank光や【auひかり】という事であれば、Y!mobile正規取扱店【Yステーション】や【UQmobile】 をメイン回線にして、povoや楽天モバイルをサブ回線で使用すると安価に対策出来ます。
私もそうですが、普段あまり使わないのに各種家族割引の中心になっているような回線の場合、毎月の支払いが安くなることが分かっていても、サブブランドにMNPで切り替えることが難しいのですが、
「docomo、au、Softbankのいずれか + 楽天モバイル or povo」
の組み合わせだと、各種家族割引の恩恵を残したままメイン回線の料金を抑えつつ、eSIMのメリットを生かすことが出来、BCP対策にもなります。
極力ランニングコストを押さえつつ、BCP対策。割と便利です。
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